痛みやしびれを伴い、生活の質を著しく低下させる神経痛・・・
ひと口に神経痛といっても、さまざまな種類があります。
身近な痛みでありながら、意外と知られていない神経痛について、
今回は原因と種類、セルフケアについてお教えしていきます!
神経痛の原因とは?
①体の冷えやストレスによる感受性への刺激
冷えやストレスは、痛みに対する感受性を高め、
神経痛を引き起こしたり、助長したりして悪化の原因になることがあります。
②加齢にともなう脊柱管の変形
腰部の脊柱管が老化によって変形したり、靱帯が厚くなると、
脊柱管の内部が狭くなり、神経が圧迫され神経痛があらわれます。
③腰を曲げる時間が長いワークスタイル
いすに座って長時間デスクワークする人、
自動車の運転時間が長い人やアイススケートなど、
腰を曲げて行うスポーツをする人などは注意が必要です。
椎間板という椎骨の間のクッションの役割を果たしているゼリー状の髄核がはみだし、
末梢神経の根元を圧迫し神経痛があらわれます。
④神経痛の原因となる主な疾患
椎骨の間にある椎間板の一部が飛び出して神経の根元を圧迫する椎間板ヘルニアや、
神経が通っている脊柱管が狭くなって神経を圧迫する脊柱管狭窄症が
神経痛の原因の一つになります。
また、手首の神経が圧迫されて腱に炎症を起こす
手(しゅ)根管(こんかん)症候群(しょうこうぐん)、その他腫瘍ができて
神経の根元を圧迫する場合や、帯状疱疹の後遺症によるものも原因の一つです。
神経痛の種類
三叉神経痛 |
顔のこめかみから目、あご、頬と三本に枝分かれした 三叉神経が支配する領域に起こる痛み。 多くは、脳に流れる血管がこめかみで神経に触れたり、 神経を圧迫したりして起こります。 目、あご、頬を中心に、突然、ぴりぴりと痛みがあらわれます。 |
肋間神経痛 |
背中から出て胸腹部の肋骨に沿って走っている肋間神経が 支配する領域の痛み。肋骨に沿って激しい痛みが起こります。 肋間神経痛は、主に帯状疱疹や変形性脊椎症などの 脊椎の疾患などが原因になります。 帯状疱疹では、治癒した後に後遺症として 神経痛が残ることがあります。 |
坐骨神経痛 |
お尻から大腿、ふくらはぎ、足の裏に縦に走行している坐骨神経が 支配する領域の痛み。 主に、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによって、 神経が圧迫されて起こります。 |
日常生活で出来る予防法とセルフケア
◎姿勢はS字カーブを常に保ちましょう!
横から見たとき、背骨が自然なS字状カーブを保っているのが理想的な姿勢です。
S字状カーブが崩れると、腰椎に負担がかかり、症状の悪化につながります。
また、痛みが強くなるので、腰部脊柱管狭窄の人は腰のそらしすぎに、
腰椎椎間板ヘルニアの人は猫背に注意してください。
腰部脊柱管狭窄症の人は、正しい姿勢でも痛みが出ることがあるので、
少し前かがみの姿勢になってもOKです。
◎安静にして、辛い時は横になりましょう
いすに座るときには座板や腰あて、寝るときは腰枕を敷くなど、
痛みをともなう姿勢や動作をなるべく避け、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。
痛みが激しいときは、静かに横になって休みましょう。
◎ストレッチも効果的
長時間のパソコン作業など、同じ姿勢をとり続けることは坐骨神経痛の悪化を招きます。
パソコン作業が続いたときなどにストレッチを行えば、筋肉の緊張がほぐれ、血流も促進します。
その結果、坐骨神経痛の軽減も期待できます。
①背伸ばしストレッチ
1.四つん這いになり、足は腰幅に開き、手は肩幅に開きます。
2.ゆっくりと息を吸いながら天井に向かって背を引き上げていきます。
3.ゆっくりと息を吐きながら、無理なく背を反らせます。
20秒~30秒くらいのペースで2と3を繰り返し行いましょう。
②股関節のストレッチ
1.片足を反対側の膝に乗せ、乗せた足の膝はできるだけ外に押し下げます。
2.骨盤を前に傾けるように、体を前にゆっくり倒します。
これを20秒×3セット行いましょう。
③太もものストレッチ
1.つま先を真上に向け、足を椅子の上にのせます。
2.手でつま先をつかみ、ゆっくり手前に引っ張っていきます。
これを20秒×3セット行いましょう。
いかがでしたか?一言に「神経痛」と言っても
さまざまな種類があることがお分かりいただけたと思います。
ストレッチをすることで、予防にも繋がりますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
ストレッチは無理のない範囲でやるのがポイントですよ!