膝に痛みが起こる原因として、関節水腫という病気があげられます。
いわゆる、膝に水がたまった状態のことです。年をとってから膝に水がたまりやすくなった・・・
という人は少なくありません。では、なぜ膝に水がたまりやすくなるのでしょうか?
膝に水がたまる原因とその対処法などについて、ご紹介します。
なぜ膝に水がたまるの?
膝は、私たちの体にある関節の中で最もよく動かす関節のひとつです。
ですから、関節が滑らかに動くようにいろいろな仕組みがあります。
そのひとつが「関節包」です。これは、関節を包んでいる袋のことで、
中に滑液とよばれる液が少量入っています。
この滑液は関節をスムーズに動かすとともに、関節が滑らかに動くように
クッションの役割を果たしている軟骨の栄養源になっているのです。
しかし、何らかの原因で関節が炎症を起こすとそれを抑えようと、
この滑液が余計に分泌されます。また、軟骨などがぶつかり合って、
出た破片が滑液に混じると、異物と察知して洗い流すために
過剰に滑液が増えることもあるのです。
膝に水がたまるとどうなる?
膝に水がたまりだすと、滑液に圧迫されて血流が悪くなり、
膝の曲げ伸ばしをするたびに痛みが走るようになるでしょう。
膝を動かさなくなると、筋肉が衰えたり血流がさらに悪くなったりします。
すると、ますます関節が不安定になり、軟骨が破壊されたり炎症が起きたりするのです。
それを察知して滑液がますます増えるという悪循環になる可能性もあります。
膝に水がたまったときの治療法
医療機関を受診すると、注射器でその水を抜くという処置が行われます。
水を抜いた後は、今までの痛みがウソのように引いて膝も曲がるようになります。
膝の水を抜いた後は、3日間程度はあまり歩いたりせずに安静にしているということが
水を抜いた後の重要な治療方法となります。
ですから、水を抜いて痛みがなくなったとはいえ、
仕事や家事、スポーツなど普段通りの日常生活を行うと、
さらに悪化してしまう危険性が出てきます。
これが慢性的な膝に水がたまる人の大きな原因となっていて、
膝に水がたまるのは何らかの炎症を起こしている可能性が高いため、
炎症を抑える為に、膝を湿布や氷嚢などで冷やすという治療方法が一般的です。
しかし、そもそも膝に水がたまるというのは、
膝に負担がかかってしまうような骨の歪みや筋肉の状態も
関係していて、炎症を止めるだけでなく、その炎症を引き起こしている
根本的な原因を発見し適切な治療をすることが求められます。
水がたまる原因は・・・
では、なぜ膝に水がたまるのでしょうか? 膝に水がたまる理由の一例をご紹介していきます。
①加齢による関節の炎症
年をとるほど、関節が劣化してクッションの役割を果たす軟骨もすり減っていきます。
そこで、骨と骨同士がぶつかりやすくなって炎症も起こりやすくなるのです。
また、軟骨が破壊されるとき、その破片が膝の関節の中に飛び散った場合にも
炎症がひどくなることがあります。
②関節の病気
リウマチや変形性膝関節症など関節がいたんでいく病気にかかると、
関節が炎症を起こしやすくなり膝に水がたまります。
病気が原因の場合は関節の治療を行っても、すぐに炎症が再発してしまうでしょう。
ですから、病気そのものの治療をしつつ、関節の炎症をしずめる治療をしていく必要があります。
③運動中のけがや事故
どのような運動でも、膝は使います。特に、走るスポーツは膝を酷使します。
子どものころから厳しい練習をしていると、膝の故障が多くなります。
また、事故でけがをしても関節が破壊されて水がたまりやすくなるのです。
このような場合は、膝を酷使することをまずやめてください。
無理をすると関節が一生元に戻らなくなります。
④膝の使いすぎ
長時間の立仕事や歩き仕事などをしていると、若くても膝に水がたまる場合があります。
このような場合は、膝をしばらく休ませることが第一です。
「若いから」と言って無理をすると、関節が弱くなって将来歩けなくなる可能性が高くなります。
膝に水がたまらないようにするための予防法
適度な運動を心がける
膝に水がたまるのを防ぐには適度な運動が効果的です。ただし、膝に負担のかかるような
激しい運動は避けてください。ウォーキングやサイクリングなど、
無理なく続けられるものがよいでしょう。
特に、おすすめはプールの中を歩く「水中ウォーキング」です。
ストレッチを習慣化する
ストレッチも膝への負担を和らげる効果があるためおすすめです。
ストレッチの際、力まかせにグイグイと伸ばすのは逆効果なので気をつけてください。
ゆっくりとじんわり伸ばすことを心がけましょう。
食生活を正す
ひざは体重による負荷を支えたり、足を使った運動するために重要な役割を果たす関節で、
常に非常に大きな負担がかかる箇所です。肥満によって体重が増えれば、
その分ひざへの負荷も大きくなり、ひざを痛める原因になります。
高カロリー食品は控えめにし、代わりに野菜、わかめなどの海藻類、こんにゃく、
脂肪分の少ない魚介類や鶏肉、赤みの肉などを積極的に摂るようにしましょう。
いかがでしたか?
体重が重く膝に過度の負担がかかっていた、普
段から膝に負担のかかる靴(ヒールなど)をはいていた、
あまり運動をせず膝の周りの筋肉が衰えていた、
膝を冷やすような生活をしていた、など老化によるものなどを
除けば何かしらの原因があると思います。
まずは、その原因を排除することからはじめてはいかがでしょうか?
薬や手術に頼らなくても自分でできることもけっこうあるものですよ。