「自分は若いし健康意識も高いからぎっくり腰は無縁!」と思っている方いませんか?
ぎっくり腰は、若い人も運動習慣のある人もなる可能性があります。
また、ぎっくり腰は、突然やってきて予防もできないと思いがちです。
しかし、実際はなんらかの予兆があり、予防もできます。ぎっくり腰の原因を理解して、
ちょっとしたストレッチを行っていれば、ぎっくり腰になる可能性を
かなり低く抑えることもできるのです。
今回は、ぎっくり腰にならないための予防方法、
そしてなってしまった場合の対策をお教えします!
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰の正式名称は、急性腰痛症と言います。「ぎくっ」という衝撃とともに、
腰が激痛に襲われる病気です。一度ぎっくり腰になると、
その後ほとんど動けない状態になってしまいます。
この時腰は、捻挫をしたような状態になり、筋肉の損傷、筋膜の炎症などが起こっています。
以前は、ぎっくり腰は高齢の人がなると言われていました。
しかし最近では、中高年のみならず20代や30代であっても、
ぎっくり腰を経験する人が増えています。
原因は人によりけりで、
骨のゆがみ・腰の筋肉のぜい弱化・過度なスポーツによる筋肉負荷など
多岐にわたります。いずれにせよ、腰に異常なストレスがかかっているときに発症します。
つまり、若くても運動を十分にしていても、
腰に負担が蓄積されるとぎっくり腰になる可能性があるのです。
ぎっくり腰になってしまったら・・・
ぎっくり腰の大半は数日~数週間で症状が落ち着いてきますが、発症直後の
脂汗をかくような痛みは耐え難いものです。このように痛みが強い場合には
むやみに動かず、まずは最も楽な姿勢でゆっくりと深呼吸を繰り返しましょう。
しばらく繰り返すと、それだけで痛みが落ち着いてくることがあります。
一般的には腰を痛めてから48時間は炎症物質が出続けるといわれています。
この炎症物質は冷やすことである程度抑えられるので、
ぎっくり腰の初期段階は患部を冷やすことに徹してください。
もし足のしびれや爪先が動かないなどの
症状が出現した場合は、神経の障害が強く疑われます。
できるだけ早く病院にかかりましょう。
2~3日して痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動くようにしましょう。
ただし、無理は禁物です。
痛みの程度をみながら、自宅の中などを少しずつ歩くようにしましょう。
入浴はしても良いの?
炎症物質は冷やすと収まりますが、温めると逆に広がってしまうという特徴があります。
つまり、身体を温める入浴はぎっくり腰初期段階ではNG。足湯もやめておきましょう。
足湯で身体の血の巡りが良くなると、全身の体温が上がり、
必然的に腰も温まって炎症物質が広がります。
清潔感が気になる方は、さっとシャワーを浴びる程度にしましょう。
一般的に筋肉の痛みは温めるとやわらぐといいますが、
それはあくまで慢性的な凝りに対してです。
「なんだかダルいなぁ」という痛みの緩和には効果的ですが、
ぎっくり腰は凝りではなく急性の炎症なので、冷やすようにしましょう。
ぎっくり腰の再発予防法
ぎっくり腰を経験すると、その後の1年間で約1/4の患者さんが再発するといわれています。
再び苦しまないためにも、しっかりと再発防止に取り組むことが大切です。
①無理な姿勢をとらない
腰に負担がかかるような姿勢を避けましょう。
代表的には前かがみの姿勢です。
②ストレスを軽減する
ストレスが続くと痛みに敏感になります。音楽や食べ物など、
自分の好きなものを生活に取り入れ、 ストレスを軽減しましょう。
③肥満を防ぐ
肥満があると体重が重い分、腰に負担がかかって腰痛が起こりやすくなります。
④適度な運動やストレッチを行う
無理なく体を動かすには、ストレッチが最適です。
ストレッチを行う前にまず気をつけたいのは、
ゆっくりとした動作でストレッチを行うということです。
おすすめのストレッチは、朝起きる時と寝る前にお布団の上で
寝転んだまま行うストレッチです。
仰向けになりひざを立てた状態で、ひざを左右に揺らします。
この時膝はくっつけておきましょう。
慣れてきたら、少しずつ揺らす幅を拡げていきます。
足を曲げて、ユラユラと揺らすだけです。
1回30秒ほどでいいので、毎日行います。
このストレッチは、腰回りの筋肉をほぐしてくれるだけでなく、
筋肉の歪みをバランスよく調整してくれます。
特に朝は、体が固まっているように感じることはありませんか?
そんな時には、起きあがる前に少し体をほぐしてみましょう。
日常生活でできる予防法
腰を痛めない動き方のコツをご紹介します。
寝返り |
膝を曲げながら、からだ全体をやや前に丸めて寝返りをしましょう。 |
起き上がり |
いったん横向きになって、 そこから腕の力でからだを起こしましょう。 どのタイミングで手を抜けばいいのかわからなくなりますが、 焦らずゆっくりと。 |
立ち上がり |
両足を肩幅までしっかり開き、 両膝もしくは何かにつかまったり手をついたりして、 からだを起こします。着席時も同様にしましょう。 |
顔を洗うとき |
腰だけを倒すのでなく、ひざも少し曲げます。 これだけで腰にかかる負担がかなり軽減されます。 |
床から物を拾うとき 物を持ち上げるとき |
必ずひざを曲げるくせをつけるようにします。 |
椅子に座るとき |
背当てに腰が付くまで深く腰かけるようにします。 1時間に一度は立ち上がり、 軽い屈伸運動(ひざを少し曲げる程度)で 血流をよくすることを心がけましょう。 |
無意識のうちに、ぎっくり腰を引き起こす原因を作っていることは少なくありません。
動作の始まりは自分が思う以上に腰回りの筋肉に負担をかけています。
同じ姿勢を続けていたなと思ったら体操をしてみる、
椅子から立ち上がるときには太ももに手を置いてゆっくりと立ち上がる、
そんなちょっとしたことが、ぎっくり腰の予防に繋がります。
毎日のストレッチと共に、少しだけ体の動かし方を意識するようにしましょうね。