朝起きると首が痛い、動かしづらい、違和感がある・・・
そんな「寝違え」を一度は経験したことがある人は多いのではないでしょうか?
つらい寝違えの原因や予防方法、寝違えてしまったときの対処法などについてご紹介します。
寝違えの症状は?
「寝違え」は、医学的に
「急性(きゅうせい)疼痛性頸部拘(とうつうせいけいぶこう)縮(しゅく)」
といわれる症状のことを指します。
一般的には、朝起きて首が痛む現象が全般的に「寝違え」と呼ばれています。
寝違えの主な症状は下記のとおりです。
・痛みのために首が動かしづらくなる
・筋肉がこわばり、動かしにくくなる
・背中や肩、腕が痛む
通常は3日ほどで自然に治ることが多いのですが、重症化すると
1週間以上痛んだり肩や腕のしびれが起こったりします。
寝違えてしまう原因
①枕の高さが合っていない
枕が高すぎると、首の筋肉や腱が不自然に伸びたまま眠ることになり、寝違えの原因になります。
枕から頭が落ちやすくなってしまうことも寝違えの原因となります。
②うつ伏せで寝ている
うつ伏せで寝ていると、寝返りのときに首をひねりやすく、
その結果として寝違えてしまうことがあります。
③血行不良
筋肉の疲労によって筋繊維の間を走る毛細血管が圧迫を受け、血流が阻害されることで
血行不良が起こります。
長時間筋肉に負担をかけ続けて血行不良が続くと、
筋肉に疲労がたまって凝りにつながり、寝違えのリスクを高めます。
④悪い姿勢
姿勢の悪い人は、首まわり・肩まわりの筋肉に大きな負担がかかり、
寝違えの原因となる筋肉の凝りを引き起こしやすくなります。
長時間悪い姿勢をとっている場合や、姿勢の悪さが常態化してしまっている人は、
頭を支える筋肉に常に負担がかかっている状態になるため、筋肉が凝りやすくなります。
⑤ストレス
日常的にストレスを感じている人は首を痛めやすいといわれています。
脳がストレスを感じることにより、脳の影響を受けやすいこれらの筋肉も
ストレスの影響を受けて、筋肉がこわばり、凝りにつながると考えられます。
寝違えてしまったときの正しい対処法
寝違えてしまったら、まずは痛む部分を冷やし、
筋肉の炎症を抑えましょう。
保冷剤などを首に当ててよく冷やす方法がおすすめです。
しっかり冷やすためには、保冷剤をタオルではなく
ティッシュペーパーのような薄いものに包んで、
「少し冷たすぎる」と感じるくらいまで患部に当て続けるとよいでしょう。
10分程度冷やしたら1時間ほど間を空けてまた10分冷やすことを、
患部の痛みが和らぐまで繰り返しましょう。
寝違えたときにしてはいけないこと
①首を温める
寝違えているときに首を温めるのは避けて下さい。
寝違えの原因は筋肉の炎症のため、温めると余計に炎症を悪化させてしまいます。
痛みがあるときはお風呂に入ることも避け、シャワーだけにしましょう。
②首を無理に動かしてストレッチする
痛みがあるときに無理に首を動かすことは控えてください。
炎症が起こっている場所を無理に動かしたりストレッチやマッサージを行ったりすると
悪化して痛みがひどくなり、治りも遅くなってしまう可能性があります。
できるだけ安静を心がけましょう。
寝違えの予防法
寝違えたときの対処法についてお教えしましたが、
できることならばつらい痛みのある寝違えは回避したいものです。
そこで、寝違えを予防する方法についてお教えします。
①適度な運動をする
運動不足であったり、パソコン作業などをやりすぎていたりすると
首や肩の周りの血流が悪くなり、筋肉が凝ってしまいます。
血行不良の状態は、首の筋肉が固まりやすくなってしまうので
寝違えのリスクが高まります。日頃から適度な運動を心がけましょう。
②お酒の飲みすぎや過度の疲労を避ける
お酒を飲みすぎたり、過度に疲労がたまったりすると、
血流が悪くなるうえに、深く眠ってしまうことで
睡眠中の寝がえりが少なくなってしまいます。
血流が悪いにもかかわらず同じ姿勢で寝続けると、
寝違えのリスクは高くなるので注意してください。
③うつ伏せ寝をしない
うつ伏せで寝るとどうしても頭を横向きにすることが多くなるので、
首は不自然な位置で長時間保持されることになります。
うつ伏せよりは横向きの方が不自然な体勢になることは少ないですが、
一番良いのは仰向けに寝て首がまっすぐの状態にすることです。
④高すぎる枕は控える
高すぎる枕も首の状態を不自然な恰好にしやすくなってしまいます。
首が不自然な位置にならない高さの枕にすることで寝違えを予防することができます。
寝違えは様々な条件が重なって起こることであり、絶対的に予防することは難しいですが、
ほとんどの寝違えは一週間前後で回復するとされています。
寝違えてしまった場合には焦らず、この対処法を思い出しながらゆっくりと対応してください。
また、ある程度の日にちが経っても症状が改善しない場合には、医療機関を受診しましょう。